カーペンターズを初めて知ったのは多分1971年高校3年の時ではなかっただろうか。
確か学校の昼休みの休憩時間に校内放送で、当時様々なポピュラーミュージックなどが流される習慣だったが、その時確か夏ごろだったと思うけれど聞いた曲がカーペンターズだった。
今でも忘れない曲名は
スーパースター
彼らはこの何年か前からアメリカでもその実力が認められ、ビートルズやローリングストーンズが全盛の時代に全く別な音楽スタイルで大勢から支持されたミュージックバンドだった。
たまたまネットで見た記事がカーペンターズでヒット。
思い出すつもりで振り返ってみることに。
目次
兄リチャードと妹カレン
1966年頃ジャズバンドを中心に活動していたと聞いた。
我々がよく知る2人組のグループになったのは1969年から。
これはアポロ11号が月着陸した年で、私自身が高校1年だったので何かにつけて記憶に新しい。
このグループは2人で活動するようになってからバンドメンバーを従えて、テレビ番組のオファーなどを待っていたようだ。
しかし音楽的に優れているなと感じたのは、オリジナルの曲を彼ら流にアレンジしてカーペンターズミュージックとしてリメイクして様々発表していたこと。
私が最初に聞いたのはスーパースターで1971年度の作品。
Superstar / スーパースター [日本語訳付き] カーペンターズ
この曲を作ったのはレオンラッセルで、当時のR&Bのかなり有名な歌い手だったと記憶。
女性シンガーの切ないバラードとして私には解釈できたけれど、グループサウンズなんだと後から知ってへーそんなグループがあるんだ?と不思議に納得したのを記憶している。
この歌を発表したあたりから妹のカレンはドラムを演奏しながら歌う事はしなくなっていた。
もともとドラムを叩きながらの歌唱だったのだが。
確かこの曲の発表する前に日本に来て公演をしたことが。
Close to you / 遥かなる影 [日本語訳付き] カーペンターズ
この頃の演奏をテレビで見た記憶がある。
ドラムを叩きながらしっかりとボーカルも担当していて、ずいぶん見ごたえがあるなと感じたもの。
またこの当時からも様々なアーティストの作品を自分たち流にアレンジして演奏していたと。
バートバカラックやビートルズなどが主な音源となったようだ。
高校の音楽愛好会からの出発のようだ
もともとはカルフォルニアロサンゼルスの出身。
なんとなく西海岸っぽい印象はあったが。
高校時代はマーチングバンドに属していてそこでの音楽活動が主流だったと聞いた。
兄は最初から ピアノが担当で、ピアノを中心としたキーボード全般を受け持っていた。
さらにリチャードが優れていたなと思うのは主な曲目のアレンジなどは全て彼が担当していたようだ。
音楽的なレベルの高さでも随分と評価されていた。
あの当時の評判で私が記憶に残るのは、音楽的なレベルの高さを評価するのにビートルズのポールマッカートニーと比較されていたのを思い出す。
そういえばビートルズのヘルプもカーペンターズでカバーしているのだ。
さて、オリジナルも比較に聞いてみたい。
素人の私にとってはどちらが優れているなどとはおよそ言えた義理ではない。
どちらも独特の魅力があるものとして解釈するが。
音楽的にはビートルズの方が複雑で高度な技術を駆使しているような気がするが。
しかし音楽は聞いてなんぼの世界。
すべての判断は聞く人の側に委ねられている。
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最大の魅力はカレンの歌声
カーペンターズの魅力はカレンカーペンターの歌声に代表されるだろう。
彼女がいてこそのカーペンターズになる。
ボーカリストとしては珍しく彼女の音域はアルト。
どちらかと言えば低域に定評がある。
彼女自身はかなりのオクターブまで音域が広がっていて自在にこなすことができたようだ。
この曲は日本でも大ヒット。
日本の子供たちと一緒に日本語の歌詞で歌った映像も残っているようだ。
誰からも支持されるようなわかりやすい歌声が彼女の特徴だろうか。
この歌声はとても耳に心地よいが、実際に再現するとなるとそうはいかない。
カレンカーペンターにしかこの表現はできない。
この不思議なギャップが彼女の歌声の最大の魅力なのかも。
悲劇は突然やってくる
彼女は1980年30歳のときに結婚をしているが、実はこの結婚がうまくいかなかったようなのだ。
そしてその頃から摂食障害を起こすように。
つまり食物を体が受け付けなくなる。
もともとのカレンは身長が163センチとのことでアメリカ人女性としてはどちらかと言えば小柄な部類に属すると思うが、しかし細身の体型とも思えない。
聞いたところではテレビなど様々な映像媒体に姿を晒すようになってから、随分とダイエットをしたと聞いている。
もともと顔立ちはほっそりしていたので、それに合わせて体型の方もと誰かに言われたのだろうか。
カメラ写りを考えて細身にしたとも聞いた。
しかし、この辺の彼女の選択は後々命取りになるような危険な要素をはらんでいたとも言える。
恋愛結婚をしたまでは良かったのだが、その結婚がうまくいかなくなった頃から、彼女は摂食障害で食べ物を受け付けなくなっていたと聞いている。
何よりもこの当時のアメリカ人女性は思いのほか薬を多用していたこともあっただろう。
彼女の場合は下剤などを大量に服用していたと聞いた。
つまり命を削る行為を日々行っていたのだ。
そしてその辺が原因になってついに突然死の形で孤独に亡くなってしまったのだ。
写真を見ても無残に痩せた様子がよく伝わってくる。
私の調べた限りでは摂食障害は精神病の1種と言っていいだろう。
うつ病とか、そういった関係と同じ領域で扱われなければならないと思う。
必要な治療はまずカウンセリング。
精神科医のきちんとしたフォローがなければ病気を克服することは難しいはず。
生活全般で見直しが必要だったはずだけれど、今となってはもうはるかに昔の話。
カーペンターズは私の中でも思い出の中に残る音楽となった。
恥ずかしながら我が家にもレコードが1枚。
このレコードを購入した後からカーペンターズは世界的に活躍し始めて、私の中では珍しさがなくなったような印象も受けた。
私の個人的な音楽史の1ページ。