昨日起死回生の逆転ホームランで大成功を収めた舞台。
正ちゃんの冒険
最後はなんと千代ちゃんのアドリブも飛び出して、ピンチをチャンスに変える臨機応変さ。
この舞台の成功は山村千鳥一座の最後の公演になるはずだったのだが、この出し物の大成功を受けて、1週間延長興行を許してもらえたのだ。
さて、みんなが喜びに溢れている間、千鳥には内心思うところがあった。
彼女は行って見れば孤独な求道者。
妥協を許すことなく常に自分自身を鍛えあげ練り上げることに固執している。
そんな中、思いもかけない決断が下される。
目次
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正ちゃんの冒険大成功の波紋
初舞台の時、思いがけずアイテムの短剣を忘れてしまった千代ちゃん。
とっさの判断でアドリブでストーリーを変えてしまった。
そして思いつくまま発したセリフとストーリー展開がお客さんに大ウケとなったのだ。
会場は万雷の拍手。
そしてそれはそのまま興行延長にもつながった。
今まで、まともに評価されることのなかった千鳥一座の座員たちも今回ばかりは皆やりがいと喜びを感じて順風満帆に思えた。
何よりもいきなり大抜擢された千代ちゃん。
彼女は新聞にも取り上げられる位の有名人。
喜びのあまり岡安に電話をする千代ちゃん。
みんな興味津々で電話口に。
しかし、この電話は長居はできない設定。
場所も何も告げることなく そのまま電話を切ってしまったのだが、千代ちゃんが役者をやっている事は伝わったようだ。
ましてや、新聞で論評されるほどの注目具合。
いずれその存在はたくさんの人に知れ渡ることになるはず。
山村千鳥の決断
今回の出し物正ちゃんの冒険は千鳥から見ればほとんど子供騙しのようなもの。
そして演技もお世辞にも上手いとは言えず。
ダメ出ししようと思えばキリがないほど完成からは程遠い舞台。
しかし、その不完全な舞台は大勢の観客から大絶賛を受けて、しかも公演を延長してもらえるほどの大盛況。
自分の予想とは真逆の結果に、自分自身のみる目をすっかり疑ってしまうようになった千鳥。
芝居に対する私の見方は不完全。
もう一度自分を鍛え直してきちんとお客さんに受け入れてもらえるような演技を勉強し直したい。
そのためには、今自分が率いている一座は解散。
自分はこれから全国を回りながら自分の演技に磨きをかけたいと。
千鳥の心意気
さて一座を解散することに決めた千鳥。
今まで座長につき従ってきたメンバーそれぞれの行き先をみんなには告げずにきちんと探していた。
それぞれが生活に困ることがないように、行き先を彼女の力で見つけてきちんと後始末をしていた。
千代ちゃんの行き先は京都の鶴亀撮影所。
例の怖い門番がいるあの撮影所。
聞くところによると撮影所の所長か何かが千鳥の古い知り合いらしくて、手紙で千代ちゃんのことを頼んで了解をとっていた。
かつて千代ちゃんが
高城百合子のような女優になりたいと 言っていたことを汲み取ってくれていた。
鶴亀撮影所では看板女優として活躍しているらしい。
千代ちゃんの行き先はそこへ決まる。
それにしても山村千鳥の心意気は実に立派なもの。
今まで傍若無人に乱暴の限りを尽くしてきたのが、それは少なくとも半分ぐらいは愛情あってのこと。
特に自分のいなくなった後のことを、メンバーそれぞれに道をつけてあげていたこと。
簡単にできることでは無い。
彼女がみんなから慕われる理由がこんなところにあるのかもしれない。
さてこうして今回の正ちゃんの冒険のあと、メンバーそれぞれは皆別々の道に進むことになる。
ついに新たな舞台へ
洋子さんの息子進太郎君はお母さんと心行くまで一緒に過ごせて、しかも正ちゃんの冒険も鑑賞することができた。
ちなみにこの子は、NHKの朝ドラでは前々回の物語スカーレットの時のちっちゃい武志くんを演じていた 。
そういえば顔を見るとなんとなく思い出すかもね。
今回のおちょやんの演技を見ていても、子役ながらとってもいい子の役をしっかりと演じきっていた。
子役はどうしても子供の時代だけを描く場合が多く、長く物語に登場する事は少ないけれど、なんとなく印象が強くて心に残る場合が多い。
今回もそうだよね。
いずれ大きくなったら大人の役柄で活躍するのかもしれない。
さてこうして千代ちゃんはいよいよ映画の世界へ一歩踏み出すことに。
そう遠くない将来、あの高城百合子とも再会できるのでは。
また今日登場していた岡安の懐かしいメンバーは、どうやらこれからも登場するチャンスがあるようだ。
今回のエピソードはこうして今日一区切りを迎えた。