先週の予告編通り、今回のエピソードは衝撃的なもの。
平岡円四郎の暗殺が最後に描かれる。
すでに一橋家の重要な役どころを演じていた平岡円四郎はその活躍が誰もが認めるところ。
世の中はまさに幕末の極み。
大転換期を迎えて人身は荒れに荒れ、既に国全体を統括する勢力はどこにも存在しなかった。
天皇のいる京都は一橋慶喜が禁裡御守衛総督としてその重要な任にあたり、円四郎はじめ、栄一たちも日本のためにより働かねばならない事態となっていた。
もうこの頃から、プロパガンダは政治の中でも重要重要な働きをしていて、噂が世の中を席巻する。
この時一橋家を補佐するべき水戸藩は内部に天狗党の台頭を許して、大きく勢力を2分する事態に。
烈公水戸斉昭の後を継ぐべき者たちはその力をまとめるには至っていなかった。
水戸藩の凋落は噂を呼んで、平岡円四郎がその原因と誤解されるに至る。
誤解の極めつけが円四郎暗殺の事態を引き起こしてしまうのだ。
今日は平岡円四郎の暗殺に至る経緯が詳しく語られる。
目次
水戸藩の分裂
水戸斉昭のお膝元だった水戸藩は斉昭なき後、大きく2つに分裂したと言える。
斉昭の過激な尊王攘夷の志を継ごうとする革新派、一橋慶喜や幕府と同じような考えの公武合体で穏健に改革を進めようと言う勢力。
現実的に尊王攘夷で突き進むだけの力を持った勢力は日本には存在しなかった。
薩摩などが一度イギリスに戦いを挑んだ経緯があるが、返り討ちに遭っている。
志だけで物事が進むのなら苦労はいらない、理想論を語っているうちに世の中はどんどん変化していくのだ。
変化についていけない者たちは、さらに改革を進めようと焦りのあまり過激な行動をとることに。
水戸藩は一橋慶喜からの応援の兵力に応えるべく準備をしようとしたが、藩内では藤田東湖の息子小四郎らが中心になって天狗党の乱が勃発。
彼らは典型的な尊王攘夷の革新派。
若者たちが中心になって飯を大きく2つに分けるほどの勢力になっていた。
水戸藩はそれらの勢力を武力で排除しようとする動きに。
一橋家に援軍を送ることなど不可能だったようだ。
関東へ下向 篤太夫と成一郎
平岡円四郎から、一橋家に仕える兵隊たちを集めてくるように仰せつかった篤太夫と成一郎。
務めを果たすべく地元の血洗島付近までやってくることに。
主に回ったのは一橋家の領内。
百姓や町民など志ある者に片っ端から声をかけていく。
これは言ってみれば営業活動のようなもの。
彼らにしてみても声をかけることは楽しかったに違いない。
その下向の途中で円四郎の陣中見舞いにも会っていたね。
ふらりとやってきた円四郎は忙しい中篤太夫たちに声をかけ、自分自身の家内にも息災であることを告げてくれるように頼んでいた。
そして、武士になったからといって死に急ぐような事はするなと
自分の信じる生き方を貫いて生きよ!
結局この言葉が遺言のようになってしまった。
このやりとりの場面が篤太夫たちと円四郎の最後に言葉を交わしたシーンとなっている。
若者たちは皆血気盛ん
あちこちで声をかけて最後にたどり着いたのがかつての仲間たちの集まっていたところ。
彼らは水戸藩の分裂に乗じて革新派の天狗党に合流しようとしていた。
篤太夫の声かけにけんもほろろで対応。
彼らは尊王攘夷で凝り固まっていた。
これは熱病のようなものと一橋慶喜が表していたが、血気盛んな若者たちは一度信じて行動を起こしたならば歯止めがきかない。
満足な資金も得られない中、強盗などもしばしば繰り返しながら行動を起こしていたのだ。
京都の治安は最悪
京都ではあの有名な池田屋事件が起こった。
尊王攘夷の志士たちを新選組が不意打ちによって駆逐。
大勢の隊士たちを切って捨てたのだ。
この事件で新選組は一躍有名になったが尊王攘夷の信奉者たちにしてみればこの事件はすなわち一橋慶喜が画策したものと邪推する。
その結果一橋慶喜の腹心の部下とも言える平岡円四郎に矛先が。
このとき、尊王攘夷を信じるものは日本全国どこにもいたので、平岡円四郎を刃にかけたのは水戸藩士と伝わっている。
1864年6月、平岡円四郎は京都町奉行所に部下の川村恵十郎(波岡一喜)と共に訪れた際に、江幡広光と林忠五郎という志士によって切りつけられる。
実はこの時、河村は円四郎を襲った刺客2人をその場で切り殺している。
一応仇は取ったことになるが、肝心の円四郎は43歳で生涯を終わることになるのだ。
尽未来際は仏教のお経の中に出てくる言葉と認識している。
これは未来永劫と言う意味。
つまり未来永劫共に一緒に頑張ろうと言う意味合いで使われる。
円四郎が暗殺されて遺体が担ぎ込まれたときに、慶喜が涙ながらに語っていた言葉。
今日はこの衝撃的なシーンで物語は終わる。
ちなみにこの当時のご時世を考えるとその場に居合わせない者たちはこの情報をリアルタイムで知ることにはならない。
篤太夫たちは来週、半月後に知るとの設定で続きが描かれる。