1日15分の放送ながら、物語は1週間分で続いているんだと思ったほうがよさそう。
最初に流れるタイトルコールは私にとってはコマーシャルのようなもの。
この物語は1話完結にはならない。
昨日からの流れを受けて、皆触れたがらない過去の思い出があることが明らかになっていく。
物語はすーちゃんのさりげない違和感から展開し始める。
地元でがんばっている人が偉いって感じ方はおかしくない?
そこからのエピソードは、幼なじみたちがそれぞれ思いを告白するところからつながっていく。
目次
幼なじみたちの思い
仲間たちの話は、かつて子供の頃UFOとコンタクトを取るために、みんなで山に登ったときのエピソード。
子供の頃の事なので、実際にUFOがやってきたとか、体を改造されたとかたわいもない話に終始。
しかし今現在の話題となると、皆5年前の震災の記憶をずっと持ち続けている。
地元に残ること、そこで頑張ることだけが苦しいことの象徴みたいに語られるのは違う。
漁師として頑張っている亮ちんは、周りから見ても、とてもかっこよく明るく朗らかで頼もしく感じる。
みーちゃんなりの感じ方で普段の様子をみんなに報告。
結局のところ、それぞれ地震を経験しているので、周りの人たちが大変な思いをしていることもよく理解できている。
それを考えると、簡単にあの震災のことを話題に上げることにはならないのだ。
ウェザーエクスパーツでのやりとり
菅波先生は鮫島さんの資料を持参する形でウェザーエクスパーツを訪れていた。
医者としての立場からスポーツ気象に大いに貢献できているらしい。
しかし、話題はそんな単純なことだけにはならなかった。
恋愛関係に驚くほどシビアで敏感な莉子ちゃんは絶妙なカマをかけながら、純粋素朴な菅波先生から根掘り葉掘り聞き出そうとする。
その場を逃げ出そうとした先生を野坂さんが押しとどめる。
詳しく聞かせて下さいな🤣
そうなると、菅波先生は猛獣に狙われた獲物のようなもの。
話はいつしかモネのことに。
そのことで、あの5年前の地震の話題にまで遡ることに。
モネの実家は漁業で、やっぱり被災していること。
そして彼女の仲間たちにも被災した人たちや、いまだに苦しんでいて問題を抱えている人もたくさんいるとの話。
そしてそういった話題はなかなか話しにくいんだよねと。
野坂さんも関西の出身で阪神淡路大震災を経験している。
自分からは語らないけれど、聞かれると重い話になるので、なかなか自ら話す事はない。
みんなが避ける重い話
幼なじみの中で三生は実家がお寺。
大学に通いながら実家を継ぐことを考えてはいるが、そのことが彼にとってはとても重い話。
それは震災の時お寺にたくさんのご遺体が担ぎ込まれてきた。
その様子を見ていて、彼らのために何か自分ができることと思ってはみるが、あまりにも重い話なので、自分はたじろいでしまうんだと。
しかし、そんな事は別にして自分たち幼なじみだけは相手を思いやる気持ちで、これからいかようにも頑張れると涙ながらに語る。
そして、この幼なじみたちの中で1番大変な経験をしているのがどうやら亮ちん。
彼は母親がまだ行方不明。
そして頼りにしている父親は作ったばかりの新造船を失って、自暴自棄になっている。
自分が頑張らなければとの思いで今までやってきたが、いささか疲れてしまった。
そのことをどうしても幼なじみのモネに聞いて欲しかったようだ。
みんな大人になってしまったから、簡単に子供の頃のようには振る舞えないけれど、お互い相手のことを応援することができそうだ。
それぞれの気持ちに応えられる真心
うたた寝をしていた亮ちんはどうやらこれからも頑張っていこうと決意を新たにした様子。
大震災の記憶をリセットすることにはならないが、そこから出発して未来を自ら作り出そうとする熱意。
そのことを考えると世代を超えて応援したくなる。
おかえりモネは若者たちのやりとりが中心に描かれてはいるが、そのテーマの本質はとても重い。
東北大震災で被災した人たちに寄り添うことがどんなことなのかを改めて問いかける。
誰もが知るとおり政治の道具にされているフシもありそう 。
しかし、実際に被災しそこから立ち直る努力をしている人たちはまさに当事者なのだ。
軽々しく当事者たちに寄り添うなんてうわべだけのセリフなど言ったところで虚しいだけ。
そのことをこの物語では強く訴えかけてくる。
今回のエピソードはあと2日で決着がつきそうだ。