物語は石橋山の戦いで大敗北を喫した頼朝軍がいかにして再起を果たせるかが描かれる。
情報が正しく伝わらない世の中を物語では詳しく描かれるが、登場人物たちは周りの状況がまるで理解できていない。
思い込みと思い入れ、これらだけのもので世界が成り立つことが物語を見ていても驚きとともによく伝わってくる。
歴史に伝わっているのは源頼朝や北条軍を中心とした男性中心の世界。
しかし、三谷幸喜脚本は物語の影に間違いなく存在しただろう女性たちのエピソードももれなく描かれる。
疑心暗鬼と、思い込み。
源頼朝の周りにたむろする兵隊たちはどうやら必ずしも一枚岩で存在したわけではない。
平家に立ち向かうなど、この時代の常識から考えても、とんでもない暴挙だったはず。
しかも、負け戦となれば身の保全を図るのが生き残った者たちの人情と言うもの。
義時の父時政は頼朝を見捨てても良いとさえ考え始めていた。
この辺の胸の内が三谷脚本では克明に描かれる。
目次
石橋山の戦い
先週からの流れで物語の戦いの様子が詳しく語られている。
平家方とされる大庭軍は伊藤軍と手を合わせて頼朝率いる北条軍と全面衝突。
この時ちょうど大雨が降った関係で北条は頼みにしていた三浦軍の加勢を得ることができなかった。
散々な戦いで味方はほぼ全滅。
頼朝は数名の伴を引き連れて洞穴に逃げ込む。
このときの様子は物語で詳しく描かれていた。
この時、敵方の武将梶原景時に見つかってしまっている。
放送の内容は文献に残った史実に忠実に描かれていた。
なぜ梶原景時が源頼朝と対峙したときに見逃したのかそこまでの理由は語られていなかったが。
見ていた感じでは情けをかけたようにも見えなかったし、かける理由も見当たらない。
これはそれぞれの手勢の数で、もし頼朝におそいかかれば逆に返り討ちにあってこちらも命に関わるようなことになるのかもと思ったかもしれない。
ただし、それならば手勢を率いてもう一度襲いにくればいいわけで、そうしなかったのは理由としてはふに落ちない。
しかし、この戦いでは北条義時の兄北条宗時が討ち死に。
その首は大庭景親の前に差し出されていた。
戦国時代はよく行われていた、首実験というやつ。
時宗が討ち死にした理由は頼朝の命を受けて所有している観音像を館からとってくること。
この途中で殺されてしまう。
観音像は別な武将が届けてくれた。
彼は伊豆地方在住の北条方の見方。
打倒平家に燃えていて、義時らのよき相談相手でもある。
敗走 頼朝軍
噂ではこの時頼朝は死んだかもしれないとされた。
軍勢として生き残っているものが誰1人いない以上、大将だけが単独で生き延びているとは考えにくい。
周りで支えていた兵隊たちも、不安になるのはもちろん、どうすれば自分が生き延びられるかを考え始めても当然至極なこと。
この辺にユーモアを散りばめるのが三谷幸喜脚本の優れたところ。
義時の父時政はすでに、頼朝には見切りをつけているような様子。
実はこの決定的な敗走の時に、ひたすらけなげに頼朝を支えたのが北条義時。
彼が亡くなった兵隊たちに報いるためにも、決して今 戦を投げ出してはならないと頼朝を鼓舞するのだ。
頼朝ゆかりの女性たち
物語の中で必ず登場してくるのが女性たちとのエピソード。
今回は頼朝の妻政子のほか、義理の母りくとともに妹の様子や。かつての頼朝の妻八重のエピソードも登場してくる。
八重は頼朝と婚姻関係にあった頃、男の子を1人設けていた。
実はその子“千鶴丸”は父伊藤祐親によって亡き者にされている。
それは、頼朝憎しで八重の父祐親が下人に命じて溺れさせたもの。
そして、罪滅ぼしのつもりだったのだろう、立派な墓を建立していた。
立派なお墓😭🤦🏽♀️
新垣結衣の演技が涙を誘うシーンだよね。
歴史的には事実が断片的に残っているだけで、裏に隠されたエピソードは物語として脚色していくしかない。
物語が始まったばかりなので、源頼朝敗走の様子が描かれているが、この後歴史的には頼朝は軍勢を盛り返す。
きちんと歴史に残っているが、見事に敵討ちを果たすのは頼朝軍。
この時平家側についていた勢力は皆ことごとくツケを払わねばならなくなるのだ。
応援を頼むも結果は😱
物語の中では、源頼朝を源氏の棟梁と呼ぶのは納得できないと語っていた。
自分こそが正当な源氏の後継者だと公言してはばからない。
調べてみたところ、彼は、物語の中ではさんざん言いたい放題言っていたが、後に頼朝と手を携えることになる。
やはり同じ源氏同士と言うことで、妥当平家に燃える気持ちは共通だったのだろう。
しかし、そういったことも全ては自分自身がそれなりの勢力を保持していて言えること。
ほとんど丸裸で何一つ軍隊を持たない状態では、ものを言う資格すら与えられないような。
そして、恐ろしいことには弱り目のときには完全に足元を見られる。
求められるがままに持っているものを差し出すしかないのだ。
義理も人情もまるで感じられないとんでもない時代だったことが納得できる。
源頼朝が再起するために
皆の気持ちがいまひとつ、1つにまとまらない中、兄北条時宗の死を知ることになる。
北条家の家督は北条義時が継ぐことになる。
どうやら兄の時宗は帰ってこないことが納得できたような。
さて、来週はいよいよ坂東武者の結集が描かれる。
妥当平家を目指すためにはどうしても様々な生力の結集が欠かせない。
今いる登場人物もしっかり理解できないうちに、次々と新たな登場人物が登場してくるのには少し疲労を感じないわけでもない。
登場してくる俳優たちは驚くほど豪華な布陣。
断片的にしか知らなかった歴史がネット検索も含めてひたすら勉強するので、ずいぶんと知識が深まる。