今日すべての決着がつくのだと意気込んでみた“ちむどんどん”。
種明かしは思いがけない形で訪れる。
暢子は自分の気持ちを分析することができずに、しかもおどおどと逃げまわるばかりで、まるで先へ進むことができない。
何よりも、和彦と愛のラブシーンをまともに目撃してしまったことが決定的なきっかけに。
物語の中では、賢秀がフォンターナで酔いつぶれてしまう。
それをオーナーからの電話で迎えに行った暢子は会話の流れでオーナー房子と一杯飲むことに。
その時出された酒が古酒(クース)
これは泡盛を丁寧に熟成させたもの。
飲んだことのある人もいるとは思うが、沖縄独特の酒で、歴史的に見て戦争前はかなりの量が残っていたけれど、沖縄の上陸大作戦の時にかなりの量が失われてしまったと聞いている。
もったいないでは済まされない情けない話。
これはワインやコニャック等と同じでヴィンテージ物の特別な値打ちがあるものと推察。
飲んだことがないので味の方はとんと見当がつかないが、暢子の話では、口当たりが良くてほんのりバニラの香りがするらしい。
よくはわからないけどコニャックのナポレオンなどの銘柄を飲むと、あの芳醇な香りに圧倒される。
今週の表題にも出てきた古酒(クース)は1週間の最後でわずかに出ただけ。
さて、物語の内容は驚くほどベタなもの。
揺れ動く暢子の気持ちが酔うほどに明らかに。
目次
愛と和彦
2人のラブシーン暢子がすぐそばで目撃しちゃうって言う設定が、ありがちなパターンだけど、暢子の目線に愛と和彦が気づいちゃうのも気の毒。
見られているとわかったら、やっぱりそこで一旦止まるよな。
固まった暢子がその場に留まり続けるのもなんか変な感じに見えた。
和彦は、あまゆで三郎さんから適切なアドバイスを。
このドラマは登場人物についていろんなダメ出しがなされているんだけど、好感を持って迎えられているキャラクターがどうやら2人。
1人は愛ちゃん。
そしてもう1人が三郎さんになる。
2人とも自然な演技で、要するにキャラクターをデフォルメしていないので。
見ていてもすっきりした印象を受けるよね。
主人公を始めとして、主な主要なメンバーはみんなズブズブ。
よくわからない演技が繰り返されるような。
腹をくくって楽しむしかないような状況。
沖縄比嘉家
学校の先生として挫折しかかっている良子。
沖縄では比嘉家の様子が描かれていた。
上白石萌歌の三線の弾き語りも披露されていたね。
良子と歌子は母親と父親がどんなふうに出会ったのかを知りたがっていた。
実はこのことには答えは出なかったよね。
母優子は良子に、
あなたがもし同じ質問を晴海から聞かれたらどう答える?
これが答えのようなそうでないような。
フォンターナ
フォンターナのオーナーからの電話で、尋ねてみると、兄賢秀が大変な事態に。
たらふく酒を飲んで酔っ払った挙句、さらにはオーナーの部屋にまで入り込んでそこにあるヴィンテージ物のワインを次々と勝手に飲み干してしまう。
賢秀はちむどんどんのだめんず枠なので、やる事はシッチャカメッチャカ。
酒を飲んで正体をなくすなんてのは、酒飲みとしては1番やっちゃいけない行為なんだけどな。
私たちがサラリーマンだった40年以上も前の時代でも、酒の席はたくさんあった。
一緒に酒を飲むことが、付き合いの1つとされて、無理に飲まされることも多々あったような。
嫌だなと思うこともあったが、これで仕事がうまくいったこともあったような気がする。
賢秀は失恋の痛みでまた暴挙に出た。
よりによってオーナーが保有していたヴィンテージ物のワインをほとんど飲んでしまうと言う。
そして、やけになったオーナーは自分の酒の相手に暢子を指名。
ここで初めて、古酒が登場。
ヴィンテージのお酒は、正直、値段は合ってないようなもの。
賢秀が飲み干した分は一体いくらになるんだろう?
暢子も賢秀も基本的には借金が必ずついて回る。
それでも、一旦はお金が身に付くあたりがなんとも不思議な感じが。
恋に気がつく暢子
物語を見ていて感じたのは暢子と賢秀はやっぱりよく似ているってこと。
酒を飲んだときの反応がまるで同じ。
愚痴をこぼして、我を忘れる。
女の子がこんな酒の飲み方をしたら、はっきり言って男の餌食にされちゃう。
しかし、今回の酒の相手はオーナー房子。
彼女と交わす会話の中で、自分自身の恋心に気がついていく。
和彦には愛ちゃんがいる。
和彦に好きだなんて言えるわけない😭
これが暢子の気持ち。
オーナーはニーチェの言葉を引き合いにアドバイスしていた。
恋人が恐れるのは愛を失うことではなく愛が変化すること。
今燃え上がって好きだとしても、やがては必ず覚めるので。
その時に良好な関係が築けているか、それとも尻切れトンボで終わってしまうか。
恋愛のステータスはわかりやすい割にはとても奥が深い。
この流れで来週に突入するような。