結婚を誓いあってはみたものの、和彦の母重子からはなかなか許しを得ることができなかった。
重子自身は結婚はお互いの出自が見合っていることがとても大切と考える人だった。
和彦と暢子では、明らかに住む世界が違うと。
しかし、若い2人には様々な応援が得られる。
そして、その応援は全く効果がないように見えて、実際は驚くほど効果的に気持ちを伝えることができていた。
一番大きかったのは、夫になる和彦の母親に対する気持ちの変化。
今まで ぎくしゃくしていた親子関係は、和彦が感謝の気持ちを述べたことによってがらりと変わった。
「反対する」の一点張りだった重子の心はやがて周りの人たちの的確な働きかけで徐々に溶け始めることになる。
今週は、先週の流れでフォンターナに訪れたトラブルが解決したことと、青柳家が新しいお嫁さんを迎えて、更なる家運繁栄が約束されるような幸せいっぱいのエピソード。
その幸せは、次なるステージへの布石でもあった。
目次
青柳重子
和彦のお母さん自体、幸せな結婚生活を送れていなかったこともあって、若い2人の結婚は簡単にOKすることにはならなかった。
しかし、暢子の人間関係はかなりユニーク。
とりわけ比嘉家の人たちは、周りから簡単に想像されるようなわかりやすい振る舞いをしない。
いい意味でも悪い意味でも傍若無人に振る舞うのが比嘉家の家族。
常識と節度で出来上がっていた重子の経験はことごとく翻弄される。
彼女の手元にはいつも愛読している中原中也の詩集。
先週から今週にかけて事あるごとに詩の朗読が丁寧に流れていた。
彼女が、周りからの働きかけてついに結婚の許しを出すところまでが一番の見所になったかも。
比嘉家の家族たち
妹の結婚をなんとしても応援して、暢子の夢を叶えてあげたい。
賢秀と良子は決して仲の良い兄妹ではなかったこともあって、よりにもよって重子さんの前で兄弟喧嘩勃発。
その様子に面喰ってまともな対応ができなくなってしまう重子。
しかし、これらの嘘偽りない物語の流れが重子の結婚の了解を得る1番の力添えになった。
最後の決め手になったのは改めて招待されたフォンターナでの食事。
この作戦が見事に的中。
懐かしさのあまり、戦後すぐの闇市の頃の思い出を語り始めた重子は、ついに2人の結婚に承諾を。
彼女なりに、どんなものが楽しくて、どんなことに胸ときめくのか、改めて実感させられたようだ。
ここから、結婚式の話は具体性を増して次々と新しく取り決められる。
過去のわだかまりが精算される時
ついに訪れた結婚式当日。
物語は昭和54年の3月の設定。
今から43年前にあたる。
実は、この結婚式の時に何十年ぶりかで再会した人たちもいた。
それはほかならぬ県人会会長の三郎多江夫妻と房子。
三郎と房子はかつて結婚を誓いあった仲。
しかし、三郎の実家の猛反対で結婚は消滅してしまった。
三郎は親戚が勧めてくれた現在の妻多江と結婚。
今に至る。
本当は一緒になるべき2人で、今でもお互いの存在を尊敬し忘れられない三郎と房子。
そしてそんな2人の様子を熟知している三郎の妻多江。
今を変える事は不可能なことが誰の目にも明らかだが、お互いの思いあう真心はそれぞれの気持ちを許し、受け入れることができていた。
ちむどんどんの最も素晴らしい人間関係はこの辺に描かれているんだと思う。
智が暢子を諦めて、2人の結婚を祝福したことと共通する。
こうして穏やかな雰囲気の中、結婚式は滞りなく終わろうとしていた。
結婚披露宴は次なる始まり
披露宴の最後に出されたのは暢子が自ら作った沖縄料理。
新婦にとっては両親から受け継いだ思い出の味で、しかも誰にだしても自慢できる料理の数々。
ここで提供された料理が実は来週のエピソードへの布石となっていたね。
来週は、暢子が沖縄料理店を開くことをもとに描かれる。
彼女の事だから大勢の仲間の応援が得られる事は言うまでもない。
しかし、予告編ではそんな単純な物語にはなっていなかった。
飲食店をやるって事はそれなりの苦労が伴うのは当たり前。
新しく店を開業した人たちの何%が成功して何十年と続けられるんだろうか。
そんなこともチラリとみえる。
そして、暢子が私と同い年なことを考えると、この後 世の中に訪れる様々なことが思い起こされる。
バブルが弾けたこととか、リーマンショックとか、いろいろ厳しい状況があったよな。
簡単に生き残れるようなことではなかったと思う。
さて物語はどんな展開が待ち受ける?