この物語を欠かさず見ている視聴者にとって今日ほど重大な事実が告げられた回はなかったのでは。
舞は母親を助けてIWAKURAの再建に本格的に参加することを決める。
最初に取り組まなければならなかったのは、舞にとっては2つの事柄。
仕事を覚えること
3人のリストラ予定者の再就職先を見つけること
2つのことを同時にするだけで大変な労力が必要になるはず。
心ない噂だって耳に入ってくるだろうし、自分の体の中だけで完結できる話でもなさそう。
そして、一番気になっていたこと。
舞はパイロットになる夢を叶えるべく飛行免許を取って就職先の内定も得ていた。
どうやらそれを自ら断る。
そうすると、恋人のはずだった柏木との別れも描かれることになる。
柏木は国際線のパイロットになるべく、訓練の真っ最中だったが、連絡の取れなくなった舞のことが心配で、直接会いに来てくれていた。
恋人同士の2人の切ないやりとりも描かれる。
語られた2人の気持ち。
この時代を過ごした私にとって、世の中がどれほど過酷だったか、今でも鮮明に記憶に残る。
リーマンショックと言ってしまえばそれまでだが、これほど世の中がすさんでいた時代もなかったと思う。
会社存続をかけたリストラやヘッドハンティングなど、いい思い出なんかなかったと記憶。
舞いあがれの物語は大きくリセットされるような雰囲気。
目次
舞が取り組むべき仕事
本格的に働くとなると、覚えるべき事は山ほど。
今まではパートのおばちゃんたちの後釜として梱包作業などが主な仕事。
しかし、本格的に経理の仕事を学ぶ必要が。
この場合、パソコンへのデータ入力が必須。
同じ女性職員の山田さんは正直やる気なさそう。
舞は自分がやらなければと思ったことに対して、驚くほどの集中力を発揮。
今までもそうやって希望するものは、全て手に入れてきた過去がある。
どうやら、今回も同じように覚悟を決めて、仕事に取り掛かる。
小森の再就職
小森は自分の仕事に誇りを持っていた。
それは浩太が社長の頃、仕事を褒められたことに端を発する。
大勢いる社員の中で、なぜ自分がリストラされなければならないのか?
そのことを考えると、今まで必死に働いてきたことも全て否定されたような気持ちになってしまう。
ここでも舞は粘り強くアプローチ。
銀行が納得するだけの再建計画は、リストラの人数をきちんと決めること。
さらには、給料の削減なども盛り込まれていたのかも。
会社が生き残る事は、どうやら犠牲を伴わずに前進できることではなさそう。
舞が頼りにしたのは笠巻。
彼に小森の仕事ぶりを改めて尋ねてみることに。
そうすると帰ってきた答えは、単純明快。
職人としての腕前は普通。
しかし、与えられた仕事は決して手抜きをせず黙々とやり遂げる真面目さがある。
その意味で、職人としては一流だと。
舞がとった行動は、引き受けてくれそうな会社の社長を呼んできて、実際に働きぶりを見てもらうこと。
見に来てくれた社長は小森の仕事ぶりを褒めて、彼を気にいってくれた。
小森は自分の傷つけられたプライドが、そこで報われたような気持ちに。
そして、決してIWAKURAを恨む気持ちなどなく、先代の社長の恩に報いたいとも考えている。
舞は粘り強い働きかけで、めぐみもできなかった小森の再就職先を見つけることに成功。
そして、会社を去ることを決めてくれた小森に、頑張って必ず戻ってこれるような会社にしますと約束。
私にも経験があるが、職人はお金だけで働いているわけではない。
仕事に対して皆、それぞれこだわりがあって当然プライドも生じる。
普段仕事をしていない人たちは、その辺のカラクリがまるでわかっていない。
しかし、それがいいか悪いかは別として、コミュニケーションをどれだけ上手に構築できるかが、会社の値打ちを決めているのも大きな事実。
柏木と舞
なかなか電話に出ない舞が心配で、柏木は直接東大阪までやってくる。
そして舞から厳しい現実を告げられた。
パイロットとして一緒に頑張ろうと思っていたが、舞はせっかく決まった内定を辞退すると言う。
柏木は、
後で後悔するぞ!
舞が返す。
自分の実家の工場をそのままにする方が後でもっと後悔する。
今はこの道しか選べへん😭
残酷なことだが、舞が方針転換を公にした瞬間でもあった。
柏木は、その厳しい現実をうすうすは知っていたとも語っていたね。
進べき道が違うことで、2人の中もどうやらこれで終了。
物語では、航空学校の頃、この2人は将来的に一緒になるんだろうなと思っていたけど、脚本家も手厳しい事実を盛り込んできたね。
新しい道へ
舞は実家の仕事に邁進することになる。
予告編でも流れていたが、雑音が山ほどある中で新しい知識を得て前進しなければならない。
物語を見ていて感じるけど、若いとは言え驚くほどのタフネスぶり。
ある程度年齢が行ってしまうととてもじゃないが、働く環境を変えようなんて気持ちは到底起こらない。
舞はめぐみとともに、これからのIWAKURAを操縦していく。