どうする家康はドラマを見ているものの、憶測をことごとく覆すかのような物語展開を。
先週の三方原の戦いで致命的な敗北を喫した、三河徳川軍。
歴史の流れは、驚くほどシビアなもの。
戦国最強と呼ばれた武田信玄は、運命の決め事だろうか、目的を遂げることなく病没する。
もし三方原の戦いの後、体調を崩すことなくそのまま進軍すれば、織田信長と全面対決になったはず。
大方の意見は一致するが、少なくとも織田信長の天下統一などありえない。
十中八九、武田信玄が勝利しただろうと推察する。
さて、歴史的な事実はこのドラマの場合あくまでも流れとしか描かれない。
今日のドラマの最も大切な課題は、徳川家康の女癖。
彼の歴史を見るとこの後のエピソードで描かれるはずだが、
自分の正室瀬名と息子信康を粛清している。
一般的に知られるのは、織田信長の命令があったとされるが、このドラマではどんなふうに描かれるだろう?
さらには徳川家康は、生涯を通して戦の中に身を置いていた。
心は生き死にをかけた戦いの中で、常にギリギリのモチベーションを要求されていただろう。
彼が手近な女性を自分の慰み者にしたとしても違和感のないこと。
今日はそんなエピソードがストーリーの中心に据えられて描かれた。
描かれた内容は、もちろん裏付けの取れたことではないはずで、脚本家のオリジナルだと思う。
時代劇としての面白さは十分に備わっているので見ていて納得できることをしきり。
目次
武田信玄没す
武田信玄は遺言として、自分の死を3年隠すようにと命じる。
しかし、この時代、テレビも新聞も何もなかったけれど、情報の伝わり方は驚くほど早かった。
武田信玄が体調不良で死んでしまったことが全国に知れ渡ってしまう。
しかし、それでも武田軍の圧倒的な強さと優位性は変わらなかったようだ。
歴史を単なる時系列でしか記憶していない私にとっては、武田信玄が進軍を止めて甲斐に戻った後は、長篠の戦いで敗北するとしか覚えていない。
そして、後を継いだ武田勝頼は、武田信玄の領土を守ることができなかった愚かな大名としか認識していなかった。
最近の研究では、それが間違いだったことがわかるようになってきている。
ドラマの中で語られていた武田信玄の最高傑作が息子武田勝頼。
武田信玄は、息子が自分以上の優れた存在であることを誇りに思っていたようだ。
実際、そのような記録も最近少しずつ分かり始めてきている。
浜松と岡崎
この頃の徳川家康は、織田信長との盟約もあって本拠地を岡崎から浜松に遷していた。
新しく手に入れた旧今川の領土遠江は、家康が直々に収めなければまだ難しい情勢が続いている。
家康は単身浜松で主だった家来と共に暮らしている。
岡崎は長男信康と五徳姫、そして家康の正室瀬名と亀姫。
家族はすべて岡崎に置いていた。
歴史をよく知る我々は、家康は長男信康と正室瀬名を粛清している事実を厳しく認識。
いずれこの家族は遠くない将来崩壊する。
そして、家康はこの物語では優柔不断なひ弱な武将として描かれている。
そのくせ、誘惑にも弱い。
もともと、徳川家康の側室と子供たちは驚くほど多いのだ。
織田信長の思惑
武田信玄がいなくなったことを理解した信長は、早速足利15代将軍義昭を追放。
様々なドラマで描かれてきた歴史的な事実。
さすがに命までは取らなかったが、京都にはいられなくしてしまう。
この後、広島のほうに流れていったと記憶する。
さらには、信長は義理の弟浅井長政を滅ぼした。
そして、嫁がせていた妹、お市の方と娘3人を秀吉に引き取らせた。
ドラマの流れとしては、羽柴秀吉とか明智光秀とかの描き方は概ね歴史どおりかなと思う。
ドラマの中で、秀吉がお市の方の長女茶々を抱き上げるシーンがあった。
後年、彼女を自分の側室に迎える秀吉。
その時の伏線かもしれない。
家康の女癖
家康は目の前の誘惑には弱いんだと感じさせるような描かれ方。
ちなみに、今回登場したお万の方。
彼女は家康の次男、結城秀康の母親。
事情があって徳川家にはいられなくて養子に出されてしまう。
物語で描かれたのは、ドラマとして面白くなるように脚色されたもの。
瀬名とお万がドラマの中のようなやりとりが実際にあったとは到底思えない。
さらには、この後の大きな歴史の流れでは、すべては様々な人間関係の思惑の中で埋もれていってしまう。
徳川家康の女癖は、50代後半になっても10代の娘を側室に迎えるなど老いても意気盛ん。
徳川御三家をきちんと制定できるほどの息子たちを設けることになる。
さらに、側室として迎えた女性たちにも熱い信頼を寄せて、政治の1部を任せたりもしたようだ。
瀬名と家康
この2人の突っ込んだやりとりが物語の中で描かれたが、ここも歴史的な事実が少し違った解釈で描かれるようになるようだ。
武田勝頼が裏で手を回して徳川家を分断させようとする。
その様子も、今日のエピソードで武田勝頼の作戦として描かれていた。
来週は、岡崎で謀反が巻き起こる。
当然のことながら、誰かが責任を取るしかない。