物語の最後に語られたのは昭和27年の春。
場所は新潟県三条市。
寅子は優未と共に新たな赴任先での生活を始めていた。
今日はそこに至るまでの東京での 生活の別れの様子などがたっぷりと。
特に家庭裁判所の多岐川たちのお別れ会は崔香淑との2人だけの会話も盛り込まれてそれぞれの気持ちを確認することができた。
ユニークだったのは多岐川の別れの気持ちの表現方法。
彼が不思議なキャラクターだった事は以前からわかっていたが自分の気持ちを表現するのにわざわざ水ごりしてみせる。
役者も承知の上でユーモアたっぷりの演出を全力投球。
そしてカフェ灯台。
ここには轟とよねと梅子。
かつての法律学校仲間が戦後ずっと活動を継続。
しかし、よねの気難しさは相変わらず。
寅子は一切の配慮をしないよねが実は気にいっていると語っていたね。
そして迷惑がられるのを承知でよねに忠告していた。
もう一度司法試験にチャレンジするべきと。
寅子には法律家として活躍するよねの助けを待っている人が大勢いるのだと諭す。
涙ぐみながら寅子の言葉に聞き入るよね。
物語に登場するそれぞれはみんな苦労を重ね日本の女性法律家としての草分け的存在。
最後には、来週の予告編もちらり。
新たな登場人物も加わることになっている。
寅子は相変わらず苦労しているような雰囲気。
先週公開された今週の予告編ほどのインパクトは感じなかったが、この物語は見ているものを惹きつけて離さない独特の魅力が。
目次
寅子とフリーライター竹中
竹中記者とは、以前からつながりがある。
彼は売れるための記事を、多少の手心を加えつつ世の中に発表してきた。
しかし、寅子にとっては戦友のような存在。
彼には隠し事はできないと思った寅子は家族会議で出てきた発言の全てをありのままに提出。
竹中は寅子との付き合いの中で、彼女がごまかしや詭弁など策を弄さないことを知り抜いていた。
ベテランの役者たちの演技は、セリフがなくとも事情がよく伝わってくる。
「虎に翼」は脚本の行間の中に様々な思いが込められている。
この物語は普通にドラマを見るというより、セリフはともかくざっくり感じるものだと思ったほうがいいのかも。
寅子の壮行会
多岐川のキャラクターはかなりユニーク。
自分の気持ちを伝えるための方法がとにかく変わっている。
演じている滝藤賢一の真骨頂かもしれない。
この場面での見所は崔香淑との再会になるだろう。
ヒャンちゃんは娘が1人いる。
娘を産むときに、日本人汐見香子として生きると心に決めたようだ。
そしてハングル名は捨てたのだと。
この時代、朝鮮からの移民も相当数日本にいたのは間違いない。
芸能人の中にもハングル名を持っている人もいるが、大抵は日本名を名乗っている。
歴史の中で政治的に翻弄された被害者だと私は個人的に解釈している。
一言では片付けられないが、個人レベルでは気の毒な人たちかもしれないと。
カフェ灯台
カフェ灯台で新潟行きの説明をしていた。
轟と梅子はにこやかに受け答えしていたが、よねはなんとなくよそよそしい。
よねも寅子にとって戦友。
彼女は女を捨てたと語る設定になっているが、このことが元で司法試験には合格できずにいた。
試験官に服装のことを揶揄されることで彼女はどうしても受け流すことができずに口答えしてしまう。
そのせいで実力は十分に備わっていながら試験を突破できないでいた。
しかしすでに戦後10年近く経っており、世の中の事情もずいぶん変わってきた。
寅子の後輩に当たる女性の法律家もたくさん増えてきたとのこと。
実力充分のよねが司法試験に受からないわけがないと誰もが考える。
寅子はおせっかいを承知で、司法試験再チャレンジを進言していたね。
昭和27年春新潟県三条市
物語の最後の方で新潟で暮らす寅子たち親子の様子が描かれていた。
行儀よく食事をしている優未。
でも物語のナレーションでは、まだ「スンッ顔」が抜けきれていないとの説明。
予告編も短いながら発表。
どうやら手に余るような問題も。
仕事に行きたくないとわめいている寅子の様子。
物語は最後まで退屈することなく続きそうな感じ。
昭和27年は私が生まれる前年に相当する。
もちろん28年に生まれた私はこの頃の記憶はほぼ持ち合わせてないが物語の年代と微妙にかぶっていることが奇妙にも思う。
新潟県三条市とのことで、ここは刃物とかの刀鍛冶で有名だよね。
後は夏の花火祭りだろうか。
多少のロケはあるだろうけど、撮影はおそらく東京でやっているに違いない。
むしろ登場する俳優たちの顔ぶれがとても興味深い。
調べてみると、新潟県のこの辺の出身者が多く採用されていると聞いた。
どうやら違った意味での地方色が出そうな雰囲気。