いよいよ戦況が激しくなる中、誰もが皆 戦意高揚でまとまっていくにはやっぱりちょっと無理があった。
世の中にはいろんな考えの人がいていろんな感じ方をする。
それを頭ごなしに戦争へ結びつけようと必死で頑張れば頑張るほど足並みは揃わなくなる。
今日のメールは不協和音の最後のエピソード。
戦時中の様子をどのくらい丁寧に描けるかでこの物語の本当の値打ちが決まるかもしれない。
目次
久しぶりに仲良し3人が揃う
さて、軍や放送局からの様々なオファーをこなしてまさに絶好調の祐一君に対して本来の自分の活動できずに一方も日本も身を引いて過ごしている木枯君と鉄男君。
彼らはどうしても今の世の中の流れに納得できずに作詞や作曲を一旦止めたと報告。
それに対して祐一君は自分ができることを精一杯頑張っているだけ。
国のために頑張っている人たちを励ましたい
その言葉を聞いて木枯君の一言。
祐一は真面目だね
軍国主義一点張りになっているのに、
自分自身の音楽のクオリティーを落とすことなく作曲し続けている祐一君に敬意を表した形。
そういえばモデルとなった古賀政男は戦争中は全く売れない時代を過ごした。
様々なことが言われているが本人は実際はどうだったのか。
世の中に納得しない気持ちと、自分自身に合わない作風で作品作りはできないと思ったようだ。
また、たまに作曲したとしてもそれが世の中に受け入れられることがなかった。
レコーディングすらさせてもらえなかったようだ。
鉄男君も戦時色一色の作詞ではとても心を載せることなどできるはずもなく、そのせいもあって元の新聞社に逆戻りしたのだ。
世の中の事情に合わせて自分自身の音楽的なセンスを遺憾なく発揮できている祐一君の活躍は彼ら2人にとっても頼もしく思えたに違いないんだけれどね。
戦争へ向かうご時世
戦争が始まってしばらくすると世の中の食糧事情など様々な部分でものが不足することが続いてきた。
コーヒーなどは輸入に頼るしかないので、すべて代用品での提供になる。
私の知っている限りではたんぽぽの根をコーヒーに仕立てて飲んでいた話も聞いた。
実際のものを飲んでみたことがあるが、コーヒーとは似てもにつかぬシロモノ。
全く飲めない事はないが、進んで飲もうとは思わなかったなぁ。
喫茶バンブーも名前を竹に変えてからものがない中での営業を強いられていたがついに店じまいを決意。
マスターの保さんは軍需工場で働くことになったようだ。
およそ今までできていた仕事などあの当時のご時世ではできなくなったことが多かったと聞く。
祐一君の場合は特別と言って良いだろう。
木枯君が去るときに利用されなければいいけれどの一言はかなり意味深だったと思う。
音楽挺身隊をクビになっちゃう音ちゃん
音楽挺身隊で観客と一緒に合唱しようと言う話が持ち上がる。
選曲を頼まれた音ちゃん。
がんばって何曲かピックアップしてみたところが、挺身隊の教官にその話をしたところ、一蹴されてしまう。
あなたは何のために歌っているの?
歌を聴いた人を笑顔にしてあげたいから。
話になりません!
あなたはクビです!
痛烈なやりとり、この時に非国民とのレッテルを貼られてしまう。
あの当時のご時世で非国民と言われればとてつもなく恥とされた。
自分のやりたいことを自分の思う通りにやれる時代ではなかったのだ。
関内3姉妹でも、自分のやりたいことをやって活動できている音ちゃんと梅ちゃん。
そして特にやりたいことがあるわけではない吟ちゃん。
彼らの胸の内は一体どういうことになっていたのか。
不協和音と表されるとその通りだなと感慨深い。
戦争に関わる真実とは?
この当時の戦況報告はニュースで盛んに流れていたが、事実をきちんと伝えていたわけではなさそう。
大本営はかなり内容を改ざんして国民に知らせていた。
ドラマの中でも出ていたがガダルカナル島の撤退を転進と伝えるが、実際のところは撤退にもなっていない。
多くの兵隊たちは旭川の第7師団一木支隊をはじめ、満足な補給もない状態で餓死者が多かったのだ。
また、待ち受けるアメリカ軍の総攻撃を受けてほぼ全滅だったと聞いている。
そういった事は世の中に知れる事はなかったのだ。
ただし現地取材をしたり、軍内部に入り込めていた記者などは事実をきちんと認識できる可能性があった。
世の中はそういったことだった。
今日の物語の最後で祐一君にも召集令状がやってきたが。
来週そのことについて詳しく考察する物語が描かれる。
音楽家として大活躍していた祐一君は当時の日本軍にとっても特別な存在だったことが来週詳しく描かれることに。
さて、エールの物語の本当の意味での値打ちがこれから決まると私は思う。