おむすび すれ違いそれぞれの覚悟
物語の詳細が少しずつ明らかになる。
今週ずっと描かれてきた阪神淡路大震災のときの歩や結。
95年当時を描く場合は主人公は歩
結はあまりに幼い。
結は翌年の春に小学校1年生になったようだ。
神戸での暮らしに区切りをつけて糸島で暮らすことになった米田家。
2004年と95年を行ったり来たりするストーリー展開だが、ここへ来てやっと物語の詳細がわかるような気にさせてくれる。
地震のときのトラウマは米田家全員が背負うことに。
1番ダメージが大きかったのは間違いなく歩
中学生だった彼女にとって無二の親友を失うことがどれほどの衝撃だっただろうか。
糸島から神戸まで米田家を応援に来た祖父永吉はその場で家族全員が糸島に引っ越すことを提案。
祖父にとっては息子の家族が心配でたまらなかったに違いない。
特に孫の歩や結は可愛くて仕方がなかっただろうに歩の受けた衝撃は大人にとっても深刻。
そんな中、物語は2004年。
聖人は結がギャル達と同じ活動をしていたことが納得できない。
自分には内緒だったと極解。
歩も結も親に逆らう子供に育ててしまったと激しく自責の念に駆られてしまう。
糸島に移ってから歩は少しずつ心を開き、自分の進路についても希望を述べるように。
もちろんそれは母親の愛子を通して。
地元の県立高校に入学したいと。
しかし、入学初日の歩のスタイルは家族みんなの度肝を抜いた。
金髪のギャル姿
自分では気に入っていると全く譲らない。
早速高校から呼び出されてそのままなら退学処分になると通告される。
うろたえる聖人をよそに愛子は歩の心をしっかりと受け止め、別な手段で高校を卒業することを約束させる。

目次
震災後の神戸から糸島へ

おむすびをきちんと理解しようと思ったら、時系列の整理は必須。
震災が95年1月17日。
春休み中には母親愛子と2人の娘が糸島ヘ。
その年の半年ほど経ったあたりで父親聖人が糸島に合流。
この時点で強烈な精神的ダメージを負っていたのは間違いなく歩。
歩に対して1番的を得た対応をしていたのは母親愛子
夫の聖人が無理矢理自分に従わせようとするのを
歩の好きにさせるときっぱり。
ここでの母親の愛情は、他の身内の誰よりも強かったようにも感じた。
愛子の覚悟を1番評価していたのは祖父母。
永吉も佳代も嫁の判断に全幅の信頼を置いていたように見えたね。

この頃、聖人は神戸のことが心配でならなかった。
そして仲間たちが仮設住宅で商店街を再び始めることを聞きつけて、自分も床屋を再開したいと。
その意見に待ったをかけたのは祖父母永吉と佳代。
歩の状態を考えれば、まだもう少しこちらにいるべきだと意見。
愛子も賛成したことで、しばらくは糸島で過ごすことに。
凍りついた心の歩

歩の凍りついた心は簡単に溶ける事は無い。
歩は決して自虐的な行動をとっているわけではなかったが、中学校にもまともに通ってはいなかった様子。
ただ、母親愛子にだけはそれなりに心を開いていたようだ。
そして県立高校への進学を希望
物語の描写として、歩の言葉で何かが語られたわけではない。
歩の発した言葉は、15分の物語の中で2秒もあっただろうか。
完全に心を閉ざしているといった感じ。
今日描かれたエピソードの中では、間違いなく歩が主人公に据えられていたと思う。
彼女の周りで物語がくるくる回るような。
2004年糸島フェスティバルの打ち上げ

2004年当時のエピソードとしては、米田家でのフェスティバル打ち上げの様子がメイン。
永吉とハギャレンメンバーはすっかり打ち解けて仲が良い。
しかし、そんな中聖人は結に厳しく質問
博多の天神で打ち合わせをやっとったと言うのは嘘か?
書道部の集まりやなかったんか?

聖人なりに娘が心配でたまらない。お
結がギャルの格好をすれば歩と同じだと心配を募らせる。
もちろん結は後暗いことなど何もない。
自分では意図しなかったけれどハギャレンメンバーとしてフェスティバルに参加した事は間違いのない事実。
ただ、心配性の聖人を納得させるだけの説明ができない。
結は姉のことが大嫌いだと、物語の初めの方でも語っていたよね。
姉と同じに1くくりうで語られるのは結的には不本意極まりなかっただろう。
歩の覚悟

物語は時系列が少し進む。
震災の翌年歩は地元の高校に進学、結は小学校1年生。
歩は高校に登校する初日、こともあろうに金髪のギャル姿。
早速学校から呼び出されてしまう聖人と愛子。
高校もまるで譲る様子は無い。
このままの格好を続けるなら退学だと最後通告。
歩は聖人の問いかけにも止めない!ときっぱり。
震災前の歩はもっと素直な屈託ない娘のように映ったが、震災後まるで人格が変わったような描かれ方。
彼女のとったスタイルに、どれほどの意味が隠されているのだろうか。
硬くな歩の様子は別な意味で違和感を感じてしまった。
おそらくは何か目的があってのことじゃなかろうかと感じたが答えは明日なのか?