先週衝撃的な最後で退場した義時の妻八重。
調べてみると残された記録の中に、水難事故を思わせるような記述も。
北条義時は、幼い子供とさらには八重が面倒を見ていた子供たちの世話に奔走することになる。
同じ頃、源頼朝は坂東武者の後押しを背景に上洛。
妻を失った義時は、仕事に復帰しないまま長く家にとどまっていた。
京都へ向かう頼朝は北条義時に同行を命ずる。
さて、京都では後白河上皇と源頼朝の2人だけの会見。
既に晩年になっていた後白河上皇は相変わらずのポーカーフェイス。
決して力を持っているわけではないが、朝廷の権威が源頼朝にとって必要不可欠なこともよく承知していた。
朝廷の後ろ盾が欲しい頼朝と、可能な限り鎌倉幕府を操りたい後白河上皇。
静かなやりとりながら、お互いの手の内腹の内を探り合う2人。
ほどなくして後白河上皇は崩御。
その後は後鳥羽天皇が即位。
源頼朝は自ら望んで征夷大将軍に就任。
かつての願い通り、武家の棟梁としての地位を確固たるものにした。
源頼朝のポリシーとして、朝廷こそが、人心掌握の要になることを熟知。
鎌倉幕府は大勢の御家人を抱えるが、それらを束ねる作業は一筋縄ではいかなかったのだ。
物語的にはそんな最中、北条義時の再婚問題と、なんと鎌倉幕府にさらに謀反の話が持ち上がる。
安寧な世の中を目指すと言いつつ、その裏はおよそ穏やかとはほど遠く、様々な欲得が渦巻いていた。
目次
鎌倉幕府の内情
鎌倉幕府はこの頃、形を整えつつあった。
頼朝は御家人たちや、全国に配置した守護らを統括することによって、その権力を盤石なものにしつつあった。
しかし、この時代の頼朝は、かつて弱小地方豪族からのしあがってやっとたどり着いた着地点。
ここに至るまでは様々な助けがあり、さらにその裏ではたくさんの血が流され、それに伴うひがみやっかみもそのまま存在していた。
特に坂東武者たちにとっては、『上総の介の事件』がいまだにトラウマとなって心に。
頼朝に取り入ろうとするもの、距離を保とうとするもの。
頼朝の側近の間では、お互い牽制しあい、腹を探りあうことが当たり前のことのように繰り返される。
お互い本心を明かす事は稀。
相手が何を考えどのような行動をするか、それが最大の関心事。
やりとりを無難にやり過ごすことができなければ、場合によっては自分自身が失脚するばかりでなく命に関わることだってあり得る。
源頼朝は見せしめと称してあちこちで殺戮を繰り返してきた。
平和な、争いのない世の中を目指すと言いつつ、影で繰り返される様々な策謀。
脚本家の冷酷な筆が冴える
源頼朝と後鳥羽上皇
京都で会い見える2人。
後鳥羽上皇に対して、へりくだる頼朝。
お互いそれぞれの軍門に下ることなどありえない。
しかし、それぞれは相手の力を間違いなく必要としていた。
お互いに腹の探り合いをしつつ、どの様な妥協点を見出せるのかギリギリの模索が続く。
この時決まったのは頼朝が守護の代表として振るまえること。
そして頼朝の娘大姫を入内させること。
さすがにこれはうまくいかなかったようだけど。
北条義時再婚話⁉️
本当は、比奈ちゃんは頼朝の側女として献上されたもの。
しかしそこは妻政子が許すはずもなく。
頼朝と政子はお互い話をはぐらかすうちに、なぜか北条義時の後妻にどうかと言う流れに。
史実では彼女こそ北条義時の正室として、歴史に名を残す。
そのやりとりも吾妻鏡などに詳しく載っているので調べてみると、義時が気にいったとされているね。
物語の中ではその逆で描かれていた。
義時は再婚する意思のないことを比奈本人に伝えていた。
どこで、2人は意気投合して一緒になるんだろうか。
いずれこの先のエピソードで描かれるようになるはず。
征夷大将軍源頼朝
後鳥羽上皇は、実はこの時点でかなりの高齢だったようだ。
老い先短いとはよく言ったもので、頼朝上洛の後すぐになくなってしまうのだ。
後鳥羽上皇死去の後、頼朝はすぐに自ら征夷大将軍になることを申請。
それはあっさり認められることになる。
名実ともに武家の棟梁として天下にその名を残すことになった。
この店源頼朝の1連の行動はその後やってくる室町幕府や徳川幕府などにそっくり引き継がれることになる。
武家の棟梁として征夷大将軍に任じられること、これこそが武士の最高の名誉であり権力の象徴とされることに。
謀反の気配
鎌倉幕府の成立した直後は、人心は決して安定はしていない。
大勢の血が流されたゆえに、恨みは累積しっぱなしだったのだ。
今回の曽我事件も来週詳しく語られることになるが、歴史に残る有名な事件なので浮世絵などにも詳しく語られる。
歴史の内情を詳しく語りきることが物語のポリシーとなっている。
物語は丁寧に描かれているが、物語がほぼ半分を過ぎた段階では、もっと先へ進んでいなければ北条義時の詳しい業績が果たして語りきれるのかどうか。
しかし、歴史物語として間違いなく圧倒的な存在感を放っているのは間違いない。