高知の田舎「佐川」を離れて、再び東京で暮らすことになった万太郎と竹雄。
はっきり言って、万太郎にはあまりにも生活力がない。
一緒に来てくれた竹雄がしっかりしていることがせめてもの強みかも。
東京に着いたそうそう、最初に決めた下宿を引き払うことに。
ギリギリ少なめの荷物で荷造りはしたものの、植物標本がかなりの量を占めていたので、それを嫌がられる形。
とりあえずは何とか住む場所を決めなければ、研究もままならない。
何とか腹ごしらえをして気分を変えようとしたところが、最初のアクシデントの先制パンチ。
自分の中で最も大切だと思っていたまだ正体のわからない植物標本一式が入ったトランクをそっくり盗まれてしまう。
今週はそんなエピソードから広がる東京暮らしの第一歩が描かれることに。
トランクの中の標本だけはなんとしても取り戻したい。
しかし、それはほどなくして見つかることに。
今、まさに、燃やされようとしていた直前で発見。
今週の1番の見所は、標本を取り戻すための万太郎のセリフと泥棒とのやりとり。
そして、それがきっかけで、新しい住まいも見つけることになる。
これから植物学者として身を立てていく万太郎は、憧れのマドンナとも再会出来て順風満帆に道が開けると思われた。
目次
古い友人との再会から新しい住処探し
彼は佐川で名教館時代の学友だった。
最初は万太郎のおぼっちゃま面が気に入らなくて、いじめっ子だったけど、後に印象ががらりと変わったらしく、最後は無二の親友になったようだ。
再び東京に来るにあたって、彼を頼りに住処探しを。
無事見つかったまでは良かったのだが、やはり植物標本などの荷物の多さで早速苦情が。
捨ててくれなければ、住む事はまかりならんと。
結局、そこは諦めて、別なところを探すしかなかったようだ。
東京での物語では、彼の存在がこれからもちょくちょく出てくるらしい。
万太郎の幼い頃を知る友達がそばにいることで、これから研究生活を続けるのに、大いに励みになる事は言うまでもない。
この頃、すでにレストランなどがあって、裕福な人たちは、そこで食事を楽しむこともできたようだ。
トランク盗難事件
大都会東京では、誰もが旅行者に優しいわけではない。
幕末の名残を引きずっている東京では勝ち組負け組がはっきりしていたとも言える。
大量の荷物の中でも、万太郎が一番大切にしていたトランクの中の新種と思われる植物標本。
万太郎曰く、自分自身の命だ!と。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり、無事トランクを不思議な縁で発見。
質屋に売り込みに来たトランクこそが、万太郎たちの持ち物。
そこから犯人を探すことができて、取り返すための取引が始まるのだ。
東京では、のんびりと自分流を貫くわけにはいかない。
駆け引き
今燃やされようとしている植物標本に遭遇。
必死で説得して、返してもらうことに成功。
このときのやり取りで、植物標本に対する並々ならぬ思い入れがしっかりと描かれた。
30円で買い取れとの申し入れに対して、無傷で返してくれるなら100円払うと万太郎。
あっけにとられる竹雄をよそに、激しい剣幕で犯人の倉木に詰め寄る。
気迫で取り戻したような植物標本。
その標本に約束通り100円払っていた。
十徳長屋
このときの停滞経験がもとで、これからの住まい探しにも大きな進展が。
無事に住処を見つけることができた。
ここ、十徳長屋に2部屋借りることができたのだ。
別名クサ長屋。
日当たりが悪く、雑草が生い茂っているような劣悪なところだが、植物が豊富な事は、万太郎のお気に入りで、しかも東大に近いことが最大の理由。
万太郎の人当たりの良さは、周りに住む住人たちともすぐに仲良しに。
この時代の明治の暮らしぶりは物語の中で詳しく描かれそうな雰囲気。
当分の間は、こちらで世話になるような気がするね。
マドンナとの再会
なんといっても将来、奥さんになる西村寿恵子ちゃんとの再会は今週の中の最大の出来事だったかもしれない。
短い時間だったが、彼女の人となりもわかるような描かれ方で、明治の恋物語が何となく想像できる。
どうやら、万太郎が一方的に恋してるような雰囲気だけど、寿恵子ちゃんもまんざらでは無いような雰囲気。
自慢の美人らしく、彼女に様々な話が持ち込まれていることも描かれていた。
来週は彼女の家族とのことも少しずつ描かれるような雰囲気。
今週のわずかの時間の中でも好奇心旺盛で、しかもサービス精神もたっぷり。
お客さん商売をしているので、人あしらいも巧みな様子が伝わってくる。
万太郎と一緒になるためには、これからいくつかのエピソードが必要になることが想像できる。
簡単に“お疲れ様”にはならないような気がするね。
来週はいよいよ東大の植物学研究所での様子が描かれるようだ。
物語は、いよいよ植物学の道を歩もうとする万太郎の様子が披露される。