すくすくと育つ園子。
寿恵子は娘の夜泣きが気になり、万太郎は夜泣きの娘に付き合う形で寿恵子を気遣う。
子育ては何よりも辛抱するしかない部分が多いかも。
特に万太郎と寿恵子にとっては、はじめての子供なので父親も母親も一緒に育っているようなもの。
長屋で暮らしている事は、周りの人たちの協力もあるので育てやすい部分が。
万太郎は佐川の峰屋に娘が生まれたことを報告。
竹雄と綾の様子も久しぶりに描かれた。
相変わらず造り酒屋は造石税があって、経営が苦しい事実は変わらない。
万太郎からの出産報告に、思わず笑みがこぼれる2人。
実は、予告編の中で意味深なシーンがあったと思う。
綾が竹雄に向かって
私らあもつくろうか?
普通、出産報告の手紙の後で、こんなことを妻が語り出したら子作りの事?
余計なことを考えてしまうかも。
しかし、今日の放送で見事な種明かしが。
作るのは子供ではなく、峰屋の看板「峰の月」に匹敵するような新しい酒。
これは大冒険でもある。
知っての通り酒屋は酒を仕込んだだけで課税されてしまう。
つまり、一滴も売れてはいなくても、税金だけはしっかりとられてしまうという。
綾の酒造りにかける情熱は昔と何ら変わっていなかった。
そんな中、十徳長屋の人たちと出かけた万太郎。
相変わらず植物採集は万太郎にとっては喜び以外の何物でもない。
目次
園子の成長
万太郎が人物画が苦手なことがここでも紹介されていた。
送られてきた絵は3枚。
1枚目はともかく、二枚目三枚目の体のパーツの部分を描いた絵は完璧。
学者らしく、観察眼の鋭さはピカイチ。
さて、寿恵子は娘の成長で夜泣きが悩み。
しかし、宵っ張りの万太郎が園子の相手をしてくれるおかげで何とかなっていると語っていた。
園子はすくすく育って8ヶ月になったとのこと。
子育て真っ最中なので夫婦がゆっくりできる時間などあろうはずもないが、それが楽しみなことも間違いない。
万太郎は家族を支える責任感と使命感で力がみなぎっていたように描かれている。
峰屋にて
久しぶりに万太郎から手紙の届いた峰屋。
竹雄も綾も万太郎のことが気になって仕方がない。
生まれてきた子供が健やかなことを手紙で確認できて、我が事のように喜んでいる。
そして、この夫婦の会話。
予告編にも出ていた会話だが、今日は脚本家の驚きの種明かしが。
明治のこの時期は、酒屋は酒を仕込んだ段階で課税されていた。
つまり、もし売れなければただの赤字で済むはずもなく大きく負債を抱えこむことになる。
造石税は間違いなく酒屋を苦しめていた。
そのことに覚悟があるか確かめようとする竹雄。
綾はしっかりとした決意で、「はい」と答える。
これからこの2人が物語に登場してくるかどうかも定かではないが、かつての懐かしいメンバーなので、見ていても微笑ましい。
若者たちの物語って印象が強かったから。
十徳長屋の人たち
おゆうさんが先輩の引っ越しで、長屋の人たちを引き連れて大八車をひいていた。
同行していた万太郎は植物採集に余念がない。
万太郎にとって、外を出歩く事は喜びいっぱいでドキドキワクワク感が止まらないのだ。
植物に話しかける相変わらずの様子は健在で、人が見たら変に思うこと間違いなし。
今日描かれたエピソードでは、標本採集がいかに大切かが強調されていた。
植物を特定するためには、積み上げられた標本と照らし合わせて検定作業をする必要が。
これが驚くほど大変。
日本にはまだ十分な植物標本が保管されていない。
つまり、日本で検定作業ができる施設はおのずと限られてくるのだ。
この時代の日本の植物学者たちが頼っていたのがロシアのマキシモヴィッチ博士。
博士の所には、膨大な植物標本のストックがあったのだろう。
そこに照らし合わせて持ち込まれた植物が何なのかをしっかりと確定する。
万太郎が初めて見つけた植物もへマキシモヴィッチ博士のところで検定してもらっていたね。
植物学の奥深さは、どれだけのものが蓄積されているかによるが、日本ではまだ始まったばかり。
ほとんどすべての作業がこれからという時代。
名付け親
新種の植物の名づけ親になるためには検定作業が必要になる。
検定作業に必要不可欠なのが植物標本。
万太郎が日々行う作業は標本集めと標本作り。
この時代は、主な学者たちは皆、ロシアのマキシモヴィッチ博士を頼っていたようだね。
ただし、イギリス アメリカでも同様の研究はあったらしく、そちらでも発表は随時なされていたようだ。
今回、万太郎が見つけた小さな蘭は日本では名前を決定することができなかった。
描かれた物語では、万太郎の家族のこともさることながらこれからの物語の方向性も少し示しているような気がする。
やはり、新種の植物を発見するための様々なエピソードが描かれると見て良いだろう。
今週のストーリーはまだ始まったばかり。
1週間かけてどこまでのものが描かれるんだろうか。