らんまんの物語の設定が少しずつ明らかに。
もちろん主人公は万太郎に間違いないが、周りの人たちとの関係もとても大切なことがよくわかる。
十徳長屋の人たちの人間模様。
今日はおゆうさんと棒手振り福地のちょっと切ない関係も詳しく描かれることに。
いいことばかり続くときっと悪いことも起こると、湧き上がる不安を告白する福地。
しかし、長屋の人たちは万太郎を見ているときっと最後は良いことが起こるんじゃないかと。みんな笑顔が増えた。
何よりも、万太郎の妻寿恵子と生まれてきた園子ちゃん。
この2人の様子が、身構えていた古くからの人たちの心をそ少しずつ溶かし始めている。
子供の幸せを願う親心。
おゆうさんも福地も子供がいる。
お互いに、自分の子供の幸せを願う話をしておきながらひょっとしたら自分にも幸せがと考えるのは、決して誤りではない。
そんな中、植物学教室で起こった事件。
それは画工の野宮が田邊教授に勇気を振って新しい提案をしていた。
野宮は画家として万太郎を雇えないかブラック田邊に頼み込んでいた。
モデルとなった世界が明らかになっているので、物語で描かれたやりとりが史実ではどうなっているのかがある程度予想できる。
野宮はともかく、ブラック田邊のモデルは悲惨な人生を遂げることになるので、そのことを調べて知っている私は、とても切ない物語として受け止めてしまう。
目次
池のそばにて
植物採集に余念がない万太郎だったが柳の枝の実を取ろうとして倉木の肩車に。
そこまでは良かったが体勢を崩して万太郎は池の中。
不安定なことをやっていれば、意外とよく起こることだろう。
万太郎は、水の中で今まで見たこともないような植物を発見。
水草には違いないが、今まで全く気がつかなかった新しいタイプの植物らしい。
さて、周りで様々な植物採集をしつつ、おゆうと福地は何気なく始めた世間話が思いのほか奥深い内容に。
今日は冒頭からそんな2人の様子が詳しく描かれて、そこから新たな物語が始まるような雰囲気。
おゆうと福地
福地は娘の小春の幸せを願っている。
かつて結婚していた女房に逃げられて、父と娘の2人暮らし。
大変なこともあっただろうに、願っているのは娘の幸せ。
同じようにおゆうにも子供がいた。
事情があって夫と別れるときにその子供を手放すしかなかったのだ。
2人とも子供を持った経験があり子供の幸せを願わない日はない。
2人の何気ない話で、万太郎が長屋にやってきてからはみんな笑顔が増えたとのこと。
特に寿恵子と園子が増えてからはより楽しいことだらけになったと語る。
しかし、棒手振りの福地は今までの経験から良いことが続いた後は悪いことが起こるのではないかと心配が尽きないとも語っていた。
今の望みは小春がきちんと育ってお嫁に行くまで見守ってやりたいとの事。
その気持ちに1も2もなく賛成するおゆう。
子供のことを考えれば、思わず和んだろうなと思ってしまう。
そして、物語を見ている私たちにしてみれば、彼らこそ一緒になってもいいんじゃなかろうかと考えてしまうのは下世話すぎるだろうか。
水草の不思議
池に落ちてしまったことで発見した水草。
気になって調べたところ、どうやら絶滅危惧種との事。
どうやら、この植物が今回の万太郎の活躍の大きな手がかりになりそう。
普段何気なく見ている植物なので、一般人である私はまるで気にも留めていない。
植物学教室
野宮は画工として雇われた身の上だが、実際に作画したときに自分の腕が万太郎に及ばないことをよく知っていた。
ブラック田邊は万太郎の類いまれな実力を熟知している。
そのことを見越して、自分の植物ハンターになれと話を持ちかけたがあっさり断られた過去がある。
今回野宮は万太郎を雇ってもらえないかともちかけていた。
途端に怒りを抑えられないブラック田邊。
いつものように当たり散らすと思いきや野宮の必死の訴えにもう一度心動かされるような様子。
再び万太郎に、植物学教室の画家として働かないかと持ちかけるのか。
万太郎はいろんないきさつがあったけど田邊教授が恩人な事実は変わらない。
どこかで恩返ししたいと思っている彼の心情も納得できる。
この物語がどこへ向かおうとしているのか、わかりそうでわからないのがちょっともどかしくもある。
ブラック田邊は学歴のない万太郎を見下していた。
どんなに優れた技術や思考回路を持っていても、誰も彼を認めたり話しないと。
しかし、田邊のところにやってくる手紙には万太郎をきちんと紹介しろと。
つまり、万太郎は世界中から注目される生え抜きの植物学者としての知名度を既に持っている。
彼を自分の懐に抱え込むことができれば。
ブラック田邊の気持ちがわからないでもない。
万太郎の家族
寿恵子は万太郎と一緒になってからは園子が生まれて世話する人が増えた感じ。
寿恵子にとっては、子供が2人になったようなもの。
しかし、苦しいのは家計の状況。
書籍を出版するためには多額の費用が必要になってそれをまかないつつ、生活費も捻出しなければならない。
本当は言うつもりはなかったのかもしれないが、万太郎にお金が厳しいとぽつり。
能天気な万太郎は、いずれ版元がお金を出してくれるとあまり関わってはくれそうもない。
ちょうど家族全員で銭湯に行った帰り。
ここからどんな展開が待ち受けているのやら。