物語は戦後すぐの様子が描かれていた。
猪爪家は男の家族たちがほぼ全員亡くなってしまう不幸に見舞われる。
最初に戦死報告がなされたのは長男直道。
終戦間際だったが、南方戦線で亡くなったとのことこと。
そして、その直後猪爪家の1番下の弟直明が疎開先から帰郷。
既に猪爪家の会社「登戸火工」は開店休業状態で全く機能していない。
収入の道がない中で、しかも食糧難はこの時ピークに達していた。
田舎と違って都市部に住んでいる日本国民は生活物資をお金で調達するしかなかった。
主な収入源がなくなってしまった猪爪家は爪に火を灯すような暮らしをするしかない。
かろうじて内職のマッチ箱作りが主な収入源。
父直言は体調を崩し家では寝たり起きたり。
やがて、寅子の夫優三の死亡も明らかに。
猪爪家はかつてないほどの不幸に。
やがて直言もなくなり、猪爪家は生きていくための生活こそが全てに。
ある時、日本国憲法発布の新聞記事を目にする寅子。
その条文に突き動かされた彼女は、新たな目標を掲げて家族と共にこれからのことを話し合う。
「虎に翼」が本格的に機能し始めるのはこれから描かれる。
寅子は再び法律の世界で仕事をしようと決心。
家族それぞれが何を目標に生きるべきかも各々が確認。
新しい時代が猪爪家にも訪れる。
目次
猪爪家の復員兵
太平洋戦争は大勢の人たちが亡くなった。
猪爪家ではまず長男の直道に招集令状。
戦場に赴いたが南方戦線のどこかで亡くなったとのこと。
戦死告知書を届けたのは、父直言。
まともな神経の持ち主では到底務まらない。
この時代、まともな神経で居られた人はいなかった可能性も。
窮乏する生活
戦後すぐの猪爪家の暮らしは悲惨を極めた。
食料の調達がままならない。
食べ物はほとんどの人が闇市で手に入れるしかなかったようだ。
そして猪爪家はわずかばかりの食料を求めて闇市通いをすることになる。
登場する俳優たちの演技が時代設定を克明に伝えてくる。
ほとんどの人は、家族ないしは身内の誰かが亡くなっている。
もちろん戦争で戦死した兵士を家族に持つ者も。
さらに全国の主な都市は皆、アメリカの空襲の被害を被っていた。
これだけでも何十万人もの人がなくなっている。
食料不足で餓死する人もいたはず。
戦場でも、餓死者病死者は戦闘でなくなるよりも多かった。
何のための戦争を誰が主導してどのように参加させられたのか。
思うにこの時代の日本国民はほぼ全員が何らかの形で遺族だったかもしれない
日本国憲法がもたらす希望
生活の厳しさがピークに達していると思われた頃、寅子には思いがけない出会いが。
夫優三の最後を知る人物が現れる。
様々な俳優たちが姿形を変えて登場してくる。
私の知り合いの中にもディティールの発見の巧みな人たちがたくさんいる。
彼の場合も教えられてわかった。
私の場合、記憶していることももちろんだが得意なのは検索。
必要な情報はネットの様々な分野で必ず取得できるように工夫できる。
寅子は新憲法に遭遇したことで新たな生きる希望を見つけた。
まず家族に報告して、それぞれが新しい価値観のもと生きていくことを確認。
みんなが協力して家族を支え合う。
憲法だけではなく、日本国民全員が生まれ変わった瞬間でもある。
一言付け加えればそのことに気づいている人は、ごくわずかだったと推察。
これから長い時間をかけて、日本は新しい時代を進むことに。
猪爪家の家族それぞれ
家族はお互い支え合って暮らしていけば良い。
誰かに責任の全てが集中するわけではない。
平等にそれぞれが配慮される。
寅子は自分自身が再び法律の世界に戻ることを決意。
寅子の場合、昭和13年に取得した弁護士資格がものを言うはず。
闇雲に自分の希望だけを述べたわけではない。
行動は無謀にも思えるが、平等な世の中になるなら彼女が裁判官になる道も開かれて当然。
ここから先は来週の物語になるがこの時代、日本の至るところで新聞を始めとする文字に見入っている女性たちの姿が見られたかも。
男女平等なら、誰しもがきちんと学ぶ権利があるはず。
それは憲法にもきちんと明記されている。
猪爪家では直明が再び勉強することに復帰。
来週は寅子が司法省で仕事をする様子が描かれることになる。
予告編は明らかになっているが、かつて登場してきたメンバーたちもちらほら見えている。
今回の短い映像からは主な内容は想像できなかったと思う。
仕事をすることだけは間違いない事実で、さらにどのような仕事をするかが物語の革新部分だろう。
日本人初の女性裁判長。
この事実がどのあたりで描かれてくるのか物語はいよいよ後半の展開に突入。