描かれた物語は、道男を預かった猪爪家がどんな暮らしぶりになったかを中心に詳しく語られる。
完全に明らかではないが、道男はどうやら16歳ないしは17歳くらいとのこと。
今日のエピソードの中で、道男は上野界隈で小さな子供たちや女の子たちを守って、スリや置き引きなどを中心に様々な犯罪行為を行っていたようだ。
警察の側から見れば、札付きのワルと言うことに。
猪爪家で暮らすうちにさんだ気持ちも少しずつ改まり人間らしい振る舞いもするようになると思えた。
しかし、物語はそんなに単純明快なものではない。
長く大人から蔑まされてきた道男の心の闇は、大人が理解できるほど通りいっぺんではない。
道男は大人がどんな目で自分を見ているか常に気にしていた。
そしてベースにあるのは大人を信用してはいけない。
自分は社会の厄介者。
逃げ回りながらも誰かの所有物を拝借して生きていくしかない。
猪爪家のとりわけ花江の2人の息子は、道男の存在をいつまでたっても受け入れない。
道男のせいで着るもの食べるものみんな思い通りに行かなくなった。
子供たちの願いは、道男に早く家を出て行ってもらうこと。
エピソードが続く中で、はるがどうして道男を受け入れたのかその理由も明らかに。
そして、事件は起こる。
道男は花江に言いよるような素振りを。
花江の子供たちと取っ組み合いの喧嘩になった挙句、道男は家出。
さらにははるが突然倒れてしまう事態に。
目次
道男を預かった波紋
家庭裁判所が孤児たちの受け入れ先になっていた時代。
施設に入ったタケシの言葉が印象的。
実はタケシは逃げ出してまた路上生活に戻っていた、
と言うのも、ロクに食事も出なかったらしい。
いくら貧しい収容所でも食べ物ナシでは生きていけない。
収容されても逃げ出す子供も多かったようだ。
行政はほぼ機能してないような。
なによりも戦災孤児たちを厄介者として扱ったことは明らかに間違い。
日本全体が動きはじめてはいなかったと推察。
道男を預かったことを責められる寅子。
彼女の切羽詰まった対応に一定の理解を示す仲間もいたが、家庭裁判所の職員にしても他人事で考える連中もいただろうね。
受け入れた道男にはるが猪爪家の様々なしきたりを教えていた。
猪爪家での家族関係
道男は大人たちとも子供たちとも距離があるような。
年齢的に思春期の少年なので、いまならデリケートに扱われて当然。
猪爪家の大人たちはある程度の認識は持っているようにも見える。
特に猪爪家の花江は寅子と同い年ながら、まだ女性としては十分恋愛可能。
花江は暮らしの中で戦死した夫直道が忘れられない。
涙ぐむこともしょっちゅう。
この時代、日本中に戦争未亡人。
猪爪家ははる、花江、寅子もそう。
道男は男手としての役割を担っていた。
物語の中では花江の子供たちとはイマイチ😓
この子役たちの表情は物語をよく表してる。
みんな敵外心ありあり。
道男は家族の中で暮らすことをここで学ぶような感じ。
寅子の出張
寅子が道男を預かったことはいろんな意味でリスクも一緒に抱えることに。
そんな中、多岐川は全国の家庭裁判所の視察に出かけると言う。
随行員に指名されたのは、なんと寅子。
本当は早めに家に帰って道男や、家族と一緒に過ごす時間を持ちたかったけど、残念ながらあっさりあきらめざるを得なかった。
出張先での様子も、物語の中で詳しく語られた。
家庭裁判所の様々なマニュアルもまだうろ覚えなのできちんと機能しているかどうかわからないとのぼやきが。
さらには子供を収容するための施設としての仕事が多くて、本来の仕事がよくわからないとか。
要するにあまりうまくいっていないとの報告。
多岐川もその事は重々納得していたような。
事件とその後
寅子が留守の間、花江とはる、直明の中で道男は自分の役割を果たしながら過ごしていると思われた。
花江の夫直道の服を譲り受けた道男の姿に、亡き夫を思い出して涙ぐむ花江。
事件はその時に起こる。
道男は花江にほのかな恋心を抱いているような。
花江のことが愛しいと思ったんだろう。
直道さんの代わりに自分ではダメだろうか?と詰め寄る。
この様子を見ていた花江の息子たちは道男に激しく反発。
取っ組み合いの喧嘩になってしまう。
年頃の道男にしてみれば、花江の存在は恋愛対象になっても致し方ないところ。
花江の息子たちにとって見ず知らずの男が母親に言い寄るのは絶対に許せない。
止めに入ったはるの目つきが気に入らないと道男。
そのまま家を飛び出してしまう。
物語の設定では10日経っても戻ってこなかったとのこと。
はるが今日の物語の最後に病魔に襲われる。
干し柿を取ろうとしてその場に倒れ込んでしまう。
さて、この物語が戦後を描くことに対して、どこまで本気なのか今週残りの2日で明らかに。