麒麟がくるは比叡山焼き討ちについて詳しく語る。
信長が比叡山に住んでいるもの全てを根絶やしにするように命じたのに対し、光秀は女子供だけは手をつけずに逃す。
しかし、戦そのものは信長の思惑通り覚恕は取り逃したものの、他の高僧たち、僧兵たちはことごとく討ち取られ、首実検のために信長の前に差し出されることに。
戦は信長側の圧倒的な勝利に終わったが、その惨状を見るにつけ明智光秀の心の中には言いようのない違和感がわき起こるのだ。
自分が希望するような戦にはならなかったことを後悔しながら、
信長から一番手柄の称号を与えられることを素直に喜べない。
信長の視点と光秀の視点には微妙な差異が出始める。
目次
信長と光秀の胸の内は違った
勝ち戦で希望通りの戦果に満面の笑みを浮かべる信長に対し、あまりに酷い殺戮の様子に眉をひそめる光秀。
そして次々と届けられる高僧たちの首級を複雑な思いで首実検していた。
その様子を嬉々とした表情で見ている信長。
光秀は信長にそっと告白をする
私の勝手な判断で女子供は逃しました
意外な表情で信長は光秀に言葉を返す。
その事は聞かなかったことにする。
何があっても今回の戦の1番手柄はそなたじゃ
そしてこの戦の褒美として滋賀国2万石を賜ることに。
近江を含むこの地域は、この時代最も重要な拠点と言えるだろう。
この時代は信長はすでに全国統一に最も近い大名とされた。
自分自身の戦略が形になりつつあることを強く自覚していたに違いない。
全くまとまらない足利幕府
比叡山焼き討ちは将軍家にも衝撃を与えた。
いくら信長といえども、ここまで残虐な行為に及ぶとは誰も想像ができなかった。
特に幕府の主要な地位にいる摂津春門は比叡山と通じたり、一乗谷とも通じる様々な反信長行為を画策していただけに大きな打撃を被ったことには違いない。
しかし、注目すべきは何よりも将軍義昭自身が信長と全く合わないことに気がつき始めたこと。
信長自身も足利将軍家の事などさほどに重要とは考えていない。
すでに信長は将軍家を通り越して天皇家とコンタクトを取れる地位にいる。
足利義昭は側近たちの意見もあって織田信長と決別する気持ちを固めることになる。
それはほかならぬ大和の国の筒井順慶との連携。
筒井順慶は松永久秀と対立していたがゆえに、将軍家に助けを求めていた。
その順慶に将軍家は力を貸そうとしていたのだ。
筒井順慶と松永久秀の戦を止める光秀
筒井順慶と松永久秀が戦を前提としてことを構えることを知った光秀は、何とかしてこの2人の争いを止めようと画策。
堺の今井宗久を介して、何とかして2人で話し合いを持たせようとするが、このときのやりとりが今日のドラマの中では1番の見せ所だったかも。
筒井順慶と明智光秀が背中を向けている松永久秀と対峙するシーン。
振り向いた久秀が2人に気がついた後、光秀と2人になって話をするシーン。
明智光秀の持ち味は戦だけではなく様々な方策を用いて人と折衝すること。
この戦以外の根回しの作業で織田信長から最も信頼された武将だったかもしれない。
この時光秀は久秀に戦をとどまってもらうお礼に自分自身が信長から賜ったばかりの滋賀2万石を差し出すとまで言い出す。
さすがにこればかりは久秀自身も驚きを隠しきれなかった。
光秀の心意気に免じて筒井順慶との戦を一旦は収めると話し合いは成立。
この時、信長は将軍家から松永久秀を討つように声かけされていたが、その時には久秀と敵対するつもりでいたらしい。
しかし、光秀の働きによって筒井順慶と松永久秀の戦は回避された。
この時、織田信長が比叡山を焼き討ちした事は様々な場面でマイナス要因として受け止められていた。
今日のドラマの中で光秀の次女玉が街に出かけて行った時に周りの人から石を投げつけられるシーンが描かれていた。
つまり、織田信長の家臣明智光秀はそこまで人々から憎まれたようだ。
そういった中で明智光秀は心の中に織田信長に従いつつも微妙な隙間風が吹き始めていることを感じていたようだ。
覚恕と武田信玄
今日の最後に描かれたこの2人の対談シーン。
覚恕は比叡山を命辛々逃げ延びて会の武田信玄のところまで落ち延びたのだ。
そして2人の対談。
この時武田信玄を演じていたのは石橋凌。
彼は以前武田信玄の大河ドラマの時に織田信長を演じていたと思った。
次回はビジュアルもしっかり似せて武田信玄になりきっていたかも。
今日は、ほんの一言二言発しただけなので、どのような演技をするのかはわからないが、歴史的に見たならばこの後、将軍などの呼びかけに応じて信玄は京に進軍することになる。
このときの有名な戦が三方原の戦い。
これは武田信玄と徳川家康の戦いになるが、徳川家康がボロ負けした戦。
武田信玄の底力をまざまざと見せつけた戦となった。
このときの信玄は上杉謙信殿川中島の戦いが決着がつかぬまま長引いていたことがある。
簡単に京都へ向かうことなどできにくかった切ない事情があったが、比叡山焼き討ちの事実は武田信玄に信長打倒の火つけた可能性が。
歴史の事実なのでもうズケズケ言ってしまうがこの時武田信玄は京都へ向かいつつ、途中病死してしまう運命に。
したがって武田の軍勢はこの後甲斐に引き返すことになる。
この辺の事情もこの後のドラマで詳しく語られなければいけない。
明智光秀が関わった戦はこの後武田家との長篠の戦いがあるのでこれをパスするわけにはいかないだろう。
さて残りの少ない話数で麒麟がくるはどんなふうにストーリーが進むのか。