鎌倉殿の13人はいよいよ物語の取りまとめに入る時期に。
北条義時は父時政とりくを幕府から追放。
かろうじて命を奪うことまではしなかった。
いよいよ鎌倉幕府の最高責任者と思った義時。
幕府の運営を確実なものにするためには、以前のような謀反を起こすような者がいてはならない。
物語はここへ来るまでに大勢の坂東武者たちが命を落としてきた。
今日は、義時が三代将軍源実朝を上から目線で見下す姿が描かれる。
すなわち、自分こそが幕府の最高権力者であることを見せつけるかのように。
そして、三代将軍源実朝の隠された性癖が本人の口から語られることに。
様々な噂が流れるので、源実朝の裏話も実はネットでは取り上げられていたりする。
どうやら彼はゲイだったような。
本人の口から、跡継ぎを作る事は叶わぬと。
要するに女性とそういうことをする気にならないのだと。
さて、鎌倉幕府最大の悲劇と言えば三代将軍実朝の暗殺事件。
その犯人は彼の甥「公曉」。
史実には、「親の敵をこのように討つ」と叫んだとされている事実が伝わる。
物語の主人公北条義時はこの時一族の権威を集約するために様々な手を打とうとしていた。
この物語の始まった頃とは全く別なキャラクターになった主人公が、いかにして権力を盤石なものにしていったかが描かれる。
目次
北条義時の画策
政治の中心は守護と国司によって決まる。
格上なのが国司。
…の守と呼ばれる存在。
その下に守護が置かれることになる。
北条義時は国司はそのままにして、守護を交代制にすることを打ち出した。
これはすなわち御家人たちの力をそぐことにつながる。
あからさまなやり方だが、面と向かって文句を言える者がいるわけではなく、たとえ不平があったとしても、従わざるをえないような状況。
ちなみに将軍職は飾り物。
実権は北条義時に集中するように画策されていた。
和田義盛と三浦義村
物語の中で北条義時と古い付き合いのある武将といえば今はもう3人程度しかいない。
その中でも和田義盛と三浦義村は特に周りの御家人からも信頼の厚い存在。
物語の中で描かれているのは和田義盛は将軍実朝と気心知れた遊び相手としてしょっちゅう登場。
しかし、しかるべき地位を求めてみたところで、それを承認するのが北条義時となれば将軍の思い通りになる事はなかった。
和田義盛はこの先何年か後に粛清されることになる。
物語の中では穏やかだが少しずつ孤立していく北条義時が静かに描かれている。
このときの幕府の権威ある地位は何といっても国司。
それは、北条が独占することとなっていた。
かつて歴史の中で権力者が犯した過ちを再び北条が踏襲することになる。
坂東武者たちは荒くれ者が多かったが、愛すべき存在でもあった。
それらが次々と退場していくことに。
源実朝と千世
源実朝が暗殺されたのは彼が28歳の時。
本来ならば子供が複数できていてもおかしくはないが、物語の中で語られていたのは正室の千世といまだに寝床が別々なこと。
つまり男と女の関係にはなっていなかった。
少なくとも歴史の表舞台で語られるようなことではない。
しかし大河ドラマの中でわざわざエピソードとして描かれるのだからそれなりの裏付けがあったのだと。
しかし、源実朝が衆道に励んでいたと言う話は表立っては聞こえてはこなかった。
歴史的に有名なのは織田信長とか武田信玄だろう。
しかし、将軍実朝にもそのような性癖があったような。
こないだ民放ドラマでやっていた六本木クラスでトランスジェンダーの料理人の役柄を演じていた。
しかし、実朝の後継者問題はこの後 鎌倉幕府に暗い影を落とすことになる。
まとめ
鎌倉幕府の2代将軍源頼家は北条によって粛清された。
彼はその忘れ形見と言える。
頼家の跡継ぎとして一幡がいたが、北条に殺されてしまっている。
鎌倉殿の13人でもその辺のいきさつが詳しく描かれていた。
公曉は頼家のもう1人の息子にあたる。
公曉には知られているところでは鎌倉幕府の将軍になる野望があったとされている。
最後のナレーションでは、6年後にその事件が起こると語られていた。
歴史的によく知られる事件だが、その詳しいいきさつまできちんと把握している人はあまり多くは無いだろう。
将軍の甥っ子に相当するわけだ。
子供がいなかった将軍にとっては息子代わりと言うことになる。
歴史的な事件と言いつつ物語の中では登場人物の様々な胸の内が反映される形をとっている。
それらは皆脚本家三谷幸喜の筆力によるもの。
幕府内はドロドロした人間関係で成り立っていた。
それらの関係が次のステップに進む時、様々な事件が起こるように語られる。
確認してみたらこの物語はあとおよそ10話程度で完結する。
この後の歴史的有名な事件『承久の乱』もすぐそこに迫る。